毎年9月6日から9月8日にかけて、旧豊栄市街地を舞台に開催される葛塚まつりは約250年の歴史がある地域の伝統あるお祭りです。
最大の見物は、9月8日夜の灯籠入舞(灯籠押し合い)で大迫力の灯篭のぶつかり合いを見ることができ、県内外から多数の見物客が集まります。
このほか、マーチングバンド演奏、山車巡行、神楽舞など、様々な行事が催されます。
また、約200店を数える盛大な露店出店も必見です。
<葛塚祭の由来>
葛塚という地名は、昔この土地が沼地で石動神社の場所だけが小島だったころ、舟の航行の目印となっていたこの小島にあった、大きな木にからみついた葛の花の素晴らしさから、いつしか葛塚と呼ばれるようになったというのが由来とされています。
当時、一面の湿地であった場所は、1731年(享保15年)松ヶ崎浜で阿賀野川の分水路を掘削し、日本海へ直接流れ出るようになったことで、福島潟の水位も二メートル低下し、干拓が進んで集落が形成されるようになりました。特に、新井郷川を中心とする水運に恵まれた葛塚は、人や物の交流の場として発展しました。
1754年(宝暦4年)葛塚は新発田藩領から幕府領となりました。庄屋の遠藤七郎左衛門らは、葛塚を公認の交易の場とするため、幕府に開市の請願を行いました。そして、1761年(宝暦11年)10月8日、幕府から正式に市を開くことを認められました。これが葛塚市の起こりです。
この認可を受けた日を記念して、1762年(宝暦12年)から8月7日・8日が葛塚稲荷神社と石動神社の祭りの日と定められました。これは、年月が変っても開市を許可された日を忘れないためです。
1873年(明治6年)からは、旧暦の8月8日にあたる新暦9月8日に稲荷神社の秋季祭礼が執り行われています。